AIAA 衛星通信フォーラム

Space Japan Review, No. 91, Winter 2016
No.91 Winter 2016

日本語版 SJR 2016年Winter号(No.91) (PDFファイル)

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Cover

写真:NICT鹿島宇宙技術センターCS(通信衛星)/BS(放送衛星)実験用13mφアンテナ(解体中のCS実験用アンテナ)

CONTENTS
表紙
NICT鹿島宇宙技術センター13mφアンテナ、解体。
写真提供:NICT鹿島宇宙技術センター
詳しくは本号「Space Japan Milestone」をご覧ください。
(PDFサイズ:4,583kB)

世界のCEOに聞く

株式会社 放送衛星システム
代表取締役社長
矢橋
(PDFサイズ:2,111kB)

「日本のBS放送は1984年にNHKが世界に先駆けて実用衛星を打上げて以後、継続して番組を提供してきました。1986年に打ち上げられた予備衛星を加えて5年間の試験放送ののち、1989年に本放送となりました。その後1990年からは民間衛星放送会社JSB(現:WOWOW)が、その翌年にはNHKと民放7局が時間帯を分けて番組を制作するハイビジョン放送が加わりました。」
日本で唯一のBS放送の衛星調達・運用会社である株式会社放送衛星システムの矢橋骼ミ長に、同社の事業内容、BSAT-3衛星及び次期BSAT-4衛星の概要、衛星管制システム、サイトダイバーシティによるアップリンク補償技術についてお聞きいたしました。

> Executive Comment
電気通信におけるイノベーション
衛星通信端末開発者の視点から
EMソリューションズ社長
ローワン・ギルモア
(PDFサイズ:301kB)

2015年9月7-10日オーストラリアゴールドコーストで開催された第33回米国航空宇宙学会(AIAA)通信衛星システム国際会議(ICSSC)でGeneral Chairの大任を果たされたEM Solutions社のRowan Gilmore氏に「電気通信におけるイノベーション」と題して執筆いただきました。研究開発、インキュベーション、人材育成や連携の促進の大切さとともに、イノベーション創出のリスクを共有する「顧客」の重要性を指摘されています。衛星通信においてどのようなイノベーションが起こりつつあるかについても触れています。


> Space Japan Club
スーパーバードの想い出

CFHエンジニアリング代表
クリストファ・F・ホーバー
(PDFサイズ:1,026kB)

クリス・ホーバー氏は、2015年初頭まで米国SSL社Chief Technical Officer (CTO)をつとめ、同社が世界の通信衛星トップメーカという現在の位置を占める推進役として活躍されたほか、AIAA Communications System Technical Committee の主要メンバーとしても、AIAA の活動に長年多大の貢献をされた。本文は同氏がSSL社引退にあたって、現役時代に手がけたなかでもっとも想い出に残るプログラムである、日本のスーパーバード通信衛星について、創世記の想い出を綴って頂いたものである。
(解説・翻訳:編集特別顧問 植田剛夫)

> 衛星余話
ALMA計画から見た国際共同プロジェクト

元通信総合研究所長
畚野信義
(PDFサイズ:874kB)

畚野信義氏は電波研究所において宇宙科学や衛星開発で活躍されました。この連載は、JFSCが畚野氏へインタビューしたことをきっかけに実現しました。今回は第5回になります。
衛星通信フォーラム会長
首都大学東京教授
福地 一

【付録】衛星余話(ALMA計画から見た国際共同プロジェクト)別添写真集

(PDFサイズ:3MB)

> Space Japan Book Review
衛星通信研究者が見た
マイケル・ルイス,渡会圭子,東江一紀訳,阿部重夫解説: "フラッシュ・ボーイズ 10 億分の1秒の男たち", 文藝春秋,2015
Michael M. Lewis: “Flash Boys; A Wall Street Revolt”, Writers House, 2014.
Reviewer: 編集顧問 飯田尚志
(PDFサイズ:268kB)

「赤道上空36,000km に位置する静止衛星を用いた衛星通信では電波の往復伝播時間が約0.3 秒かかるので,ミリ秒(mS)なりマイクロ秒(μS)なりが問題となる本書で取り上げているような問題には衛星通信は全く太刀打ちできない。その上,本書は株取引のマーケットにおいて評判になったということであるので,衛星通信関係者としては益々縁遠い感じがする本ではある。この書評執筆者の私は,衛星通信は太刀打ちできないからこそ興味を持ったのであるが,読んでみると,株取引のマーケットの問題というより,情報を早く伝えることを技術目標としている通信技術者でさえ,通信時間の短縮がこれほど大切で高収益を生むものであると目が覚める思いである。このような例がいくつか本書に記述されていて興味が湧く...」


> 特別記事 #1(Special Report)
可視光通信実験衛星「ぎんれい」の開発
中島スペースエンジニアリングラボ
信州衛星研究会事務局長
元信州大学ぎんれいプロジェクトマネージャ
中島 厚
(PDFサイズ:2,822kB)

「信州大学と信州衛星研究会が連携して開発した、衛星・地上間の超長距離双方向可視光通信実験衛星「ぎんれい」は平成26年2月28日未明にH-IIAロケット23号機によりNASAのGPM主衛星の相乗り副衛星として他の6大学の衛星と共に高度400km、軌道傾斜角65度の軌道に投入された。」
元信州大学ぎんれいプロジェクトマネージャの中島厚さんに「ぎんれい」衛星の概要、地上実験による評価、宇宙空間での運用状況、今後の可視光通信の可能性について執筆いただきました。現在、信州衛星研究会では「ぎんれい」の成果を活かして日常生活における可視光通信の実用化を目指して研究開発を進めています。


> 特別記事 #2(Special Report)
2015年世界無線通信会議(WRC-15)報告
〜宇宙業務から見た主要結果〜
三菱電機(株)
阿部宗男
(PDFサイズ:384kB)

「世界無線通信会議(WRC)は、無線周波数の利用形態、利用方法に関する国際的な取決めである無線通信規則(RR: Radio Regulations)の見直し・改訂を行うITUの会議であり、3〜4年に一度開催される。2015年11月2日〜27日、この会議(WRC‐15)がスイス・ジュネーブで開催された。WRC‐15では全議題/課題約40のうち半数が衛星を用いた通信サービス(宇宙業務)に関係するものであり、地上系の携帯網への周波数需要が高い中でも依然として宇宙業務への関心が高いことが示された。本稿ではWRC‐15の結果RRがどう変わるのか、宇宙業務の観点から報告する。」
三菱電機(株)の阿部宗男さんにWRC-15の状況を報告いただきました。


> Space Japan Milestone
NICT鹿島宇宙技術センター13mφアンテナ、解体。
国立研究開発法人 情報通信研究機構
ワイヤレスネットワーク研究所
鹿島宇宙技術センター
佐藤正樹 (PDFサイズ:158kB)

「2015年8月、国立研究開発法人情報通信研究機構・鹿島宇宙技術センター(茨城県鹿嶋市)にある2基の直径13mパラボラアンテナが解体されました。」
1970年代半ばにCS(通信衛星)/BS(放送衛星)実験用に開設された2基の地球局アンテナが老朽化と東日本大震災による被害により解体されました。NICT鹿島宇宙技術センターの佐藤正樹さんに報告いただきました。


> 学会だより #1
21st Ka and Broadband Communications Conference参加報告
情報通信研究機構 ワイヤレスネットワーク研究所 宇宙通信システム研究室
片山 典彦
(PDFサイズ:912kB)

「2015年10月12日〜14日、21st Ka and Broadband Communications Conferenceがイタリアのボローニャで開催された。この会議はKa帯衛星通信に関する研究を中心にナビゲーションや光衛星通信に関する研究の開発や実験結果の報告など、毎年多くの発表が行われている。今年は約200名の参加があり、連日盛況であった。」
次回のKa and Broadband Communications Conferenceは、AIAA International Communications Satellite Systems Conference (AIAA ICSSC-2016)と共催で、2016年10月18日〜20日米国クリーブランドで開催されます。
http://www.kaconf.org/のサイトをご覧ください。
アブストラクトの投稿締切は、2016年4月30日(Final Paper Due:2016年9月1日)です。
奮って参加をお願いします。


> 学会だより #2
第16回 Japan‐Korea Joint Conference on Satellite Communications (JC‐SAT2015)開催報告
電子情報通信学会 衛星通信研究専門委員会
委員長 豊嶋守生
幹事 三浦 周
(PDFサイズ:387kB)

「Japan‐Korea Joint Conference on Satellite Communication (JC‐SAT)は、日本と韓国の衛星通信研究者間の情報交換、相互理解を深めることを目的に、電子情報通信学会通信ソサイエティ衛星通信研究専門委員会(SAT研)と、韓国のKorean Society of Space Technology (KOSST)が共催する会議であり、2000年から毎年1回、日韓で交互に開催されている。第16回目となる今年の会議JC‐SAT2015は2015年10月7日および8日に大阪大学中之島センターで開催され、日韓の衛星通信研究者・技術者が各日約40名参加して熱心な議論が行われた。」
付録 特別講演について 飯田尚志(本誌編集顧問)


> SPACE JAPAN INTERVIEW
昭和の宇宙に咲くCS「さくら」の開発から学んだこと
−環太平洋火山帯の国と離島火山地域における衛星通信−

磯 彰夫
(PDFサイズ:1,210kB)

2015年5月29日口永良部島(鹿児島県屋久島町)での新岳噴火とそれに伴う全島避難の状況、火山活動の常時監視、導入が期待されるUAV(無人航空機)衛星通信、Ku/Ka帯回線設計例、環太平洋火山帯での衛星通信導入例についてお話しいただきました。特別記事に掲載されています2015年世界無線通信会議(WRC-15)では無人航空機の遠隔制御にKu/Kaが新規に割り当てられたとの報告もあり、ホットな話題です。



編集後記
From Editor


編集:AIAA衛星通信フォーラム編集委員会
〒184-8795 東京都小金井市貫井北町4-2-1
情報通信研究機構ワイヤレスネットワーク研究所宇宙通信システム研究室
若菜弘充

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